【悲報】年収500万円の20代独身女性がお金を貯められない理由は?

マネー論

日商簿記1級経理マンのテツオです。

先日「29歳独身 マンション購入後、思うように貯められません」というニュースを目にしました。

タイトルだけで「そらそうよ」と思いつつ詳細を見てみると案の定、収入に対するローン額が多く、それが固定費として重くのしかかっているという状況でした。

 

元記事でもFPが家計改善アドバイスをしていますが、「この人の立場だったらどう改善するか」私なりに考えてみたいと思います。

 

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相談者の悩みと基本スペック

元記事から抜粋すると、相談者の悩みと基本スペックは以下の通り。

相談者の悩み

マンション購入してから思うようにお金を貯められないこと。

 

相談者の基本スペック

<相談者プロフィール>
・女性、29歳、未婚
・職業:会社員
・居住形態:持ち家(マンション)
・毎月の手取り金額:27万円
・年間の手取りボーナス額:50万円
・毎月の世帯の支出目安:25万円

【支出の内訳】
・住居費:12万円(管理費等含む)
・食費:4万円
・水道光熱費:1万円
・教育費:なし
・保険料:2.8万円
・通信費:0.4万円
・車両費:なし
・お小遣い:3万円
・その他:2万円

【資産状況】
・毎月の貯蓄額:2万円
・年間ボーナスからの貯蓄:50万円
・現在の貯蓄総額:120万円
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:2900万円(住宅ローン:借入額3000万円、金利1.75%、返済期間35年)

 

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率直な感想

うわっ、負債の割に貯蓄少なすぎ…?

負債2,900万円に対して貯蓄額120万円って少なすぎではないでしょうか…?

 

月々の支出に関しては、住居費以外は問題ないと思います。非常に節約されているという感じです。

保険料が高いのでそこだけは見直し要ですかね。

 

収入に関しては手取り27万円+ボーナス(年1回)50万円ということで年収500万円程度でしょうか。

おそらく正社員で、20代女性では非常に稼がれている方と思います。

問題は住居費と貯蓄額ですね。

 

住居費

年間の住居費が144万円。

年収に対して28%、手取りに対して38%と、非常に大きな割合を占めます。

安全な住居費の割合は所説ありますが、私は手取りに対して25%程度と考えます。

29歳と若いので昇給も見越してと思いますが、現時点でお金が貯まらないというのは当然ではないでしょうか。

むしろ年間貯蓄額が74万円、よくやっていると思います。

 

貯蓄額

もっと問題なのは貯蓄額ですね。

現在の貯蓄額が120万円というのは大分ヤバイです。確実にレッドゾーン入ってます。

マンション購入から1年近く経っているようなので、購入直後の貯蓄額は50万円ほど。

よくこの資産で買う気になったな?というのが本音です。

 

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マンション購入に掛かる費用

マンション購入にはローン代金以外に初期費用が色々な掛かります。

以前私が分譲マンションを見学した時に貰った見積もりがこちらです。

初期費用 金額
融資手数料 100万円
約印紙代 0.5万円
登記・抵当権設定費用 33万円
火災保険 5万円
管理準備金 1.5万円
修繕積立基金 56万円
管理費3ヶ月分 4万円
修繕積立金3ヶ月分 2万円
ローン代行手数料 3万円
固都税 6万円
合計 211万円
テツオ
テツオ

初期費用だけで211万円、高すぎぃ!

 

これに毎月のローン、管理費、修繕積立金が必要になるので、まあお金は飛んで行きますわな…。

融資手数料100万円というのはボッタクリ銀行なので、これは無視するとしても、それ以外は大体必要になるお金です。

 

特にマンションの場合は毎月の積立では不足するであろう将来の修繕費を新築購入者に負担させることが多いので、初期費用に含まれる修繕積立金が非常に高いです。

 

この方も初期費用100~200万円は支払ったでしょう。そして、初期費用支払い後の貯蓄残額が50万円。

要はこの方は貯蓄額が150~250万円の状態でマンション購入をしているのです。

テツオ
テツオ

正直、かなりのチャレンジャーだと思います。
タネ銭なしに賭場に殴り込むレベルですね。

 

せめて初期費用支払い後に頭金相当(物件総額の10%程度)が残る程度になってからのマンション購入をおススメします。

 

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どのように改善するか?

まあ買ってしまったものは仕方ない、そのマンションに35年間住み続ける前提で、私なりに改善策を検討したいと思います。

改善点は2点。

 

保険の見直し

毎月の支出の中で唯一高いなと思ったのが保険料2.8万円。元記事でも指摘されていますが、独身なのに高すぎです。

ローンを組む際に団信は入っているでしょうから、それで賄えない分だけ保険に入るべきでしょう。

 

この方は生活防衛費となる貯蓄が少ないので、就業不能時の収入減のリスクが最も高いでしょうか。

病気、怪我、精神疾患等で就業不能になった際に収入減を補う保険が必要でしょう。

将来的に生活防衛費が貯まれば公的保険に頼って民間保険は外すという選択肢もアリだと思います。

 

金利の安いローンに借り換え

2点目は住宅ローン金利。1.75%って非常に高いです。

フラット35Sの最低金利が0.8%台まで落ちている中で1.75%はその倍。金利だけで600万円ほど返済額が変わります。

この方はフラット35Sは使えなかったのかも知れませんが、変動金利で0.3%台まで落ちているこのご時勢、インフレ率の低い日本では今後も大して金利は上がらないでしょう。

金利上昇リスクに怯えて高い固定金利を選ぶくらいなら、変動金利に借り換えして、月々の支払額の削減や住宅ローン控除で還付を受けた方が良いと思います。

 

例えば、借り換えで金利を0.4%に削減した場合、35年間で支払額が約1,050万円削減されます。

年間約30万円ですね。

1.75% 0.4% 差額
支払利息(35年間) 1,010万円 210万円 800万円
住宅ローン控除(10年間) ▲250万円 250万円
合計 1,010万円 ▲40万円 1,050万円

利息0.4%の場合、支払利息より住宅ローン控除の方が大きく、利息どころか40万円ローンが減ります。(全額控除出来た場合)

あくまで概算のシミュレーションですが、これだけ差があれば大分余裕のある生活になるでしょう。

 

余裕が生まれたら投資に回して運用、年間30万円をつみたてNISAで年利5%・20年運用すれば積立額600万円に対して運用結果が1,000万円

これを税引後配当利回り4%の高配当株にスイッチングすれば年間40万円の不労所得ゲット、4ヶ月分のローンがチャラですね。

ここまで来れば完全にイージーモードに入ります。

 

保険の見直し住宅ローンの借り換え、これが見直しポイントと考えます。

 

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おわりに

本日は、【悲報】年収500万円の20代独身女性がお金を貯められない理由は?ということでマンション購入の注意点と家計の改善点の紹介でした。

マンション購入の際は初期費用と月々の修繕積立金を考慮の上、ご購入下さい。

 

ありがとうございました。

 

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コメント

  1. 中野 より:

    こんにちは。
    積立NISAで20年間5%の利益を上げ続けるのは、現実的な想定ですか?

    • tetsuo_index tetsuo_index より:

      はい、現実的な想定です。
      例えば、米国の代表的な指数であるS&P500の過去20年の年平均上昇率は5%程度でした。
      (ただ、毎年5%上昇する訳ではなく、+20%の年もあれば▲5%の年もあります。)

      過去の実績は将来を保証するわけではないですが、実績がある以上は不可能なラインではないと思います。

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