日商簿記1級経理マンのテツオです。
今回は2020年の金融市場の振り返りとして、地域別・資産別に2020年の1年間で最も伸びた指数(インデックス)は何かを見ていきたいと思います。
今回はよく見るドル建てのチャートではなく、円換算・配当込みのチャートを使用します。
地域別に見るにあたり通貨を統一する必要があるのと、日本に住む我々が金融資産のトータルリターンを見るにあたり、円建て・かつ配当込みで評価を行うのが一番実態に即していると考えたからです。
円換算・配当込みのチャートとして、今回はeMAXISスリムシリーズの基準価額を使用します。
eMAXISスリムシリーズは円換算・配当込みのベンチマークと乖離がほぼ存在しないため、若干簡便的な手法になりますが、調査方法として適当と考えました。
では前置きが長くなりましたが、2020年最も伸びた指数(円換算・配当込み)は何?
ぜひ最後までご覧下さい!
比較対象の指数(円換算・配当込み)・調査方法
まず今回比較を行う指数を示します。
地域・資産 | 指数 |
米国株式 | S&P500 |
先進国株式 | MSCIコクサイインデックス |
新興国株式 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
国内株式 | TOPIX |
全世界株式 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
先進国債券 | FTSE世界国債インデックス |
国内債券 | NOMURA-BPI総合 |
先進国リート | S&P先進国REITインデックス |
国内リート | 東証REIT |
続いて実際に調査に用いる投資信託を示します。
地域・資産 | 投資信託 |
米国株式 | eMAXISスリム 米国株式(S&P500) |
先進国株式 | eMAXISスリム 先進国株式インデックス |
新興国株式 | eMAXISスリム 新興国株式インデックス |
国内株式 | eMAXISスリム 国内株式(TOPIX) |
全世界株式 | eMAXISスリム 全世界株式(オール・カントリー) |
先進国債券 | eMAXISスリム 先進国債券インデックス |
国内債券 | eMAXISスリム 国内債券インデックス |
先進国リート | eMAXISスリム 先進国リートインデックス |
国内リート | eMAXISスリム 国内リートインデックス |
調査期間は2020年1月6日~2020年12月30日の各投資信託の基準価額を用います。
1月6日を基準点(0%)として、12月30日時点でのリターンを比較します。
なお、調査データは全てeMAXISスリムシリーズ公式サイトから拝借しています。
調査結果
では早速調査結果を示します。
2020年、最も伸びた指数は?
■地域別・資産別2020年リターン(円換算・配当込み)
- 米国株式:+11.9%
- 先進国株式:+10.6%
- 全世界株式:+10.5%
- 新興国株式:+10.0%
- 国内株式:+8.8%
- 先進国債券:+6.0%
- 国内債券:▲1.0%
- 先進国リート:▲12.3%
- 国内リート:▲14.1%
調査結果振り返り(1位~5位)
ということで、2020年一番伸びた指数は米国株(+11.9%)でした。
コロナショックで3月に年初来約▲30%のマイナスに陥るも、そこから急回復。
年末には過去最高値を更新するに至りました。
米国株(S&P500)強し!
コロナショックを乗り越えて期待値である+5%の倍以上の伸び、素晴らしいです。
更に恐ろしいのは2020年は後半にかけて円高が進んだため、その分リターンは落ちているにもかかわらずこの伸び。
ドル建てのS&P500は1年間で約15%のリターン(配当除く)と、本当に驚異的です。
続いて2位に先進国株式(+10.6%)、3位に全世界株式(+10.5%)となりましたが、時価総額加重平均で米国の伸びに引っ張られているだけなので、欧州など地域単体で見るともう少しリターンは下がりますね。
4位は新興国株式(+10%)、5位は国内株式(+8.8%)。
国内株式は残念ながら調査対象の株式インデックスの中ではリターンが最も下になりました。
日経平均はバブル以来の最高値更新で話題になりましたが、時価総額加重平均のTOPIXはイメージよりは伸びてなかったですね。
それでも十分なリターンですが。
調査結果振り返り(6位~9位)
6位は先進国債券(+6.0%)、7位は国内債券(▲1.0%)。
先進国債券の+6%って債券としてはバグレベルのリターンですね(汗)
8位は先進国リート▲12.3%、最下位(9位)は国内リートの▲14.1%でした。
コロナショックで最も打撃を受けたリート(不動産)、結局年末まで回復せず、2020年は国内海外ともに大幅マイナスリターンとなりました。
金融緩和で資金が流れ込んだ影響で米国を始めとする株高が起こったと言われていますが、リートはその恩恵に与ることは出来なかったようです。
リートが回復するのが本当に実体経済が回復した時になるのでしょうか。
頑張れリート!
資産別・指数別チャート(円換算・配当込み)
トータルリターンだけ見てもちょっと物足りないので、指数別の1年間のチャートも見ていきましょう。
資産毎に並べてみました。
■インデックス別チャート(株式・円換算・配当込み)
まずは株式です。
今見ても3月のコロナショックの下げは凄まじいですが、そこからの回復も早く、特に米国株はほぼ全ての期間でリターンが一番で、米国株の強さを物語っています。
新興国株式は3~7月の下げ幅が大きく、回復が最も遅れましたが、その期間にも積立投資をするとむしろリターンは全指数の中で一番大きくなったようです。
■インデックス別チャート(債券・円換算・配当込み)
続いて債券。
国内債券は3月以降マイナスリターンが続いていますが、先進国債券はほぼ全ての期間でプラスリターンですね。
■インデックス別チャート(リート・円換算・配当込み)
最後にリート。
コロナショックの爆心地で、3月に株式以上の下げを記録しました。(最大▲46.4%)
そこから完全回復に至ってはいないものの、徐々に回復し、最終的には先進国、国内ともに▲10%台まで持ち直しました。
ほぼ同じ値動きをしていますが、年の後半に先進国の方がリターンが上がりましたね。
リートのリターンは賃料収入などから得られる分配金。
今後の伸びは賃料収入が戻るか次第ですが、コロナが落ち着いた後もテレワークが定着した場合は簡単には戻らない可能性もあります。
まあ日本の経営層はテレワーク=サボりという考えの人もいるので、意外と早く戻る可能性もありますが(皮肉)
おわりに
本日は2020年一番伸びた指数は何?ということで、各地域・資産別の2020年円換算・配当込みチャートを見てきました。
- 米国株の強さが際立つ
- 2020年は株式>債券>リート
- リートの値動きから、実体経済の戻りはまだ先になりそう
2020年は株式の年でしたが、2021年は逆転している可能性もあります。
インデックス投資家にとって一番重要なことは、相場に関係なく、自分の決めたポートフォリオで淡々と積み立てていくことでしょう。
私はeMAXISスリムS&P500と楽天VTIの積立を続けます。
本日は以上です。
ありがとうございました。
こちらの記事も読まれています
コメント