【分析】コロナ禍で人の動きはどう変わった?上場企業経理マンが見る人流データ(東京周辺)2020年1月~2021年5月

マネー論

日商簿記1級経理マンのテツオです。

私は上場企業で経理マンをしていますが、経理の仕事はただ仕訳を作ることではなく、決算情報を分析し、現在の経営状況、今後の指針などを経営層・株主に正しく伝えることが仕です。(仕訳作るだけならAIに任せれば良いです)

 

その中で重要なことは、俯瞰的目線を持つこと、恣意性を排除すること。

一面的な切り取り情報では経営層・株主の判断を誤った方向に誘導してしまうため、俯瞰性・客観性を何より重視しています。

 

そんな中、最近のコロナ関連報道はやれ新規感染者が何人だの〇〇駅で人出が〇%増えただのと、マスコミが報道したいストーリーに合わせるための切り取りデータが多すぎると感じたので、実際のところはどうなっているのか、生データを見ながら分析してみようと思います。

 

もちろん私は感染症については素人なので、各都道府県の首長が言う「人流を抑えること」が実際どの程度実現されているのかという観点で見てみたいと思います。

テツオ
テツオ

意外なことが分かったので、よかったらお付き合い下さい!

 

スポンサーリンク

調査方法

データを正しく分析するには一次情報にあたること。

全国約100カ所の主要な駅や観光地などでの人の流れを解析したデータを無償提供しているAgoopのデータや、NHKのコロナ関連データベースを見てみました。

 

東京のオフィス街や繁華街で、感染拡大前である2020年1月から2021年5月現在まで、どのように人の動きが変わったのでしょうか?詳しくみていきたいと思います。

 

スポンサーリンク

東京都全体の動き(2021/5/1時点)

まずは東京都全体の動きです。NHKの人出増減マップを参照しています。

 

感染拡大前(2020年1月~2月)との比較(一日平均)

左下に凡例がありますが、赤いエリアが人流が増えたエリア、青いエリアが人流が減ったエリアですね。

土日は土日、平日は平日同士で比較されています。

 

感染拡大前(2020年1~2月)との比較なので当然と言えば当然ですが、東京の中心部は軒並み人流減、中心部から離れた西エリアに人が流れていることが分かりますね。

 

高尾山や奥多摩エリアが人気とテレビでも放送されているので、皆さまのイメージとも近いのではないでしょうか。

 

ただ、データを見る時には比較軸が必要。

都心の人流は前年と比較すると30~50%減と大幅減ですが、目標(計画)と照らすとどうなのか?

 

そう、東京都の小池都知事は職場に出勤する人の数を3割まで抑えて下さいと言っています。

つまり、目標は70%減(グラフの濃い青の部分)なので、現状は対前年では大幅減ですが、対計画(目標)では未達と言えるでしょう。

※目標の是非を言い出すとキリがないので、一旦目標を都知事の要請通り設定しています。

 

一週間前との比較(一日平均)

3度目の緊急事態宣言が発令された東京。

2021/5/1の人出を発令前の前週と比較するとやはり都心は人流減、西エリア(郊外)は人流増になっています。

 

感染拡大前との比較である1個前のグラフと比べると都心の減はゆるやかになっていますが、元々テレワークに移行して人流が減っているのでしょう。

テツオ
テツオ

私も2020年4月以降、月に1~2度の出社になっています。

 

緊急事態宣言で人流の抑制は一定の効果はあるものの、こちらも目標には届いていないと言ったところでしょうか。

 

東京都全体の動き まとめ

  1. 都心部は軒並み人流減、中心部から離れた西エリアに人が流れている
  2. 都心の人流は対前年では30~50%減だが、目標(70%減)には届かず
  3. 3度目の緊急事態宣言発令後、都心の人流は前週より減傾向になったものの、やはり目標(70%減)には届かず

 

スポンサーリンク

各地点の動き(2021/5/1時点)

では全体の人流の傾向が分かったところで、各地点のミクロの人流を見ていきたいと思います。

ここからはAgoopが無償公開しているエリア別の人流データを参照します。(Agoop新型コロナウイルス特設サイト

 

繫華街エリア(東京都 JR山手線 渋谷駅)

まずは繁華街エリアの象徴として渋谷駅から。TVの報道でもよく映されていますね。

青が平日、オレンジが休日のグラフです。(1日の平均人口)

さて皆様、このグラフを見てどう思われたでしょうか?

 

1回目の緊急事態宣言中の少なさが凄まじい、昨年秋~年末は人出が多い、2021年に入ってから再度減った、色々思うことはあるでしょう。

 

テツオ
テツオ

私の第一印象は、「右肩上がりにはなっていないんだ。」でした。

恥ずかしながら、人流の生データを見るのは初で、それこそマスコミの「休日の人出〇%増」「新規感染者〇人増」というニュースくらいしか見ていなかったので、2020年6月以降ずっと右肩上がりになっているのかと思い込んでいました。

 

実際は、人出のピークは2020年10~12月頃で、リバウンドなど言われていた2021年4月も昨秋の水準には届いていないんですね。

 

人流というデータだけを見ると、1回目の緊急事態宣言が解除された2020年6月以降は大差ない水準で推移しているのです。

テツオ
テツオ

これは正直意外な発見でした。

 

また規模感としては、感染拡大前の2020年1~2月は平日で10万~12万人、休日で7万~8万人の人流がありました。

そして2021年4月は平日で6万~8万人、休日で4~6万人で、感染拡大前の約30~40%減と、先ほどの東京都マクロでの増減とほぼ一致しました。

テツオ
テツオ

渋谷だけ特別な動きをしているということはなさそうです。

 

では繁華街だけでなくビジネス街はどうなっているのか?

こちらもテレビでよく見る品川駅、東京駅のデータを見てみました。

 

ビジネス街エリア(東京都 JR山手線 品川駅・東京駅)

こちらも渋谷駅とほぼ傾向は変わらず、2020年6月以降の人流はほぼ同水準(2回目の緊急事態宣言中は減)となっています。

 

ただ、感染拡大前(2020年1月)と2021年4月を比較すると、人流は約40~60%減となっているので、品川・東京周辺はテレワークへの移行が進んでいる(テレワーク可能な職種が多い)ということでしょうね。

 

観光・レジャーエリア(東京都 高尾山、神奈川県 箱根町)

最後に観光、レジャーエリアも見てみます。

高尾山は微増傾向ですが、季節要因もあり何とも言えないところ。コロナ前から混雑はしてましたからね。

 

箱根はGoToトラベルの影響で夏~秋に跳ね上がってますが、2021年4月時点では、書き入れ時の休日がコロナ前の水準には戻り切っておらず、観光業の苦しさがデータからも伝わってきます。

 

各地点の動き まとめ

  1. 感染拡大後の人流ピークは2020年10~12月頃
  2. 2020年6月以降の人流は大きな増減なし
  3. 観光地の人流はコロナ前に戻らず

 

スポンサーリンク

おわりに

本日は2020年1月~2021年5月の東京周辺の人流データを見てみました。

データの見方は人それぞれなので、私と違う印象を抱いた方もいらっしゃると思います。

 

私としては、事前のイメージとは違い、右肩上がりにはなっておらず、2020年6月に回復して以来、大きな増減はないことが大きな発見でした。

テツオ
テツオ

やはり一次情報を見てみないと正確な認識が出来ないということを改めて認識しました。

 

人流と感染症の関係については、素人が下手なことは言えないので、敢えて何も言いません。

私自身、大本のデータからピックアップして紹介しているので、皆様も是非一次情報をご覧いただければと思います。

 

ありがとうございました。

 

 

こちらの記事も読まれています

 

にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました