日商簿記1級経理マンのテツオです。
本日、奨学金を一括早期返済しました!
大学卒業と同時に背負った借金、これで晴れて綺麗な身です!
とはいえ、無利子または低利子である奨学金の一括早期返済はメリットだけではない。
むしろ、最適な方法は早期返済ではないでしょう。
今回の記事では早期返済のメリット・デメリットを解説したいと思います。
奨学金の早期返済のデメリット
解説の前に、私が借りていた奨学金から紹介します。
種別 | 日本学生支援機構 第一種奨学金 |
借入額 | 288万円 |
返済額(月々) | 1.5万円 |
返済期間 | 16年 |
利率 | 無利子 |
マネーリテラシーの高い読者様であれば既にお気付きでしょう。
有利子ならまだしも、無利子の奨学金を一括早期返済したのか…と。
私も頭では分かっています、理論上の最適解は「資産運用で得た不労所得で返済」です。
一括早期返済は非効率
そもそも、一括早期返済は資金効率が悪いです。
簿記1級をかじった方であればご存知でしょう、NPV法(正味現在価値法)を。
NPV法を簡単に説明すると、こんな考え方です。
多くの人は前者を選ぶでしょう。つまり、「今の1万円」と「1年後の1万円」は同価値ではないのです。
「1年後の1万円」は「今」に置き直すと1万円未満の価値しかないのです。
将来のキャッシュフローを「現在」の価値に換算する、それがNPV法(正味現在価値法)です。
これを奨学金で考えると、月々1.5万円、16年間無利子の返済プランを「現在」の価値に換算すると266万円程度。(割引率1.0%)
今288万円持っていて全額返済出来るとしても、月々返済の方が22万円程得をするという訳ですね。
狐につままれたように感じるかもしれませんが、なぜ月々返済の方が得をするのか。
その理由は、現金は運用により増やすことが出来るから(一括返済により機会損失するかから)ですね。
資産運用で得た不労所得で返済
銀行の預金利息が0%台になって久しいですが、昔は定期預金で8%とか利率が付いていました。
それなら一括返済よりも、定期預金で現金を増やし、それを返済に充てる方が賢いと判断する人が多いでしょう。
原理は同じです。
288万円を年5%の高配当株に突っ込めば、税引き後で年12万円の不労所得(配当所得)を得られます。
288万円の資産を持ちながら、年間の返済額の7割近くを配当所得で賄う。
これが賢い選択肢だと思います。無利子であれば猶更ですね。
しかし、私は論理的ではないことを承知の上で一括返済を選びました。
その理由を以下で解説します。
奨学金の早期返済のメリット
私が無利子の奨学金の早期返済を選択した理由は3点あります。
- 家計の健全化
- 固定費の削減
- 住宅ローン審査で有利になる
家計の健全化
奨学金は借金、負債であることは間違いないです。
そして、我が家は資産の最大化のために夫婦共有口座にしています。
※共有口座が資産の最大化に繋がる理由は過去記事を参照下さい。
夫婦共有口座ということは、ある意味、私の負債の返済に妻も付き合わせている状況なのです。
その状況で、一括返済出来る資金を持ちながらリスク資産に突っ込む。妻は良い思いはしないでしょう。
なので、家計から一旦負債を綺麗さっぱり消し去り、家計を健全化させると共に、夫婦の信頼関係の損ねないようにする。
それが1つめの理由です。
固定費の削減
我が家の資産運用の基本方針は、「ドルコスト平均法による月5万円の積立投資」です。
月5万円という金額はボーナスが入っても変えません。
手元に資金が大量にあっても入金額は一定なので、奨学金という毎月の固定費削減を優先し、月々の貯蓄ペースを上げる。
それが2つめの理由です。
住宅ローン審査で有利になる
私は賃貸マンションに住んでいますが、将来は持家も検討しています。
奨学金があると住宅ローン審査で不利になります。
本人の貸付限度額が5,000万円だったとして、負債(奨学金)があると、その分限度額が減らされます。
それで住宅ローン審査に落ちることもあるので、負債の削減を行いました。
それが3つめの理由です。
クレカを大量発行している場合は、その分貸付限度額が下がってしまうので要注意です。
とはいえ、奨学金程度で落ちるようなギリギリの住宅ローンを組むのはおススメ出来ません。
35年の超長期返済で最初からギリギリでは完済することは非常に困難でしょう。
余裕を持った住宅ローンを組むべきだと思います。
なので、私にとって、この理由は後付けレベルで、主に「家計の健全化」「固定費の削減」を目的として奨学金の早期返済を行いました。
まとめ
奨学金の早期返済のメリット・デメリットをまとめると以下の通り。
奨学金を早期返済する場合は、上記のメリット・デメリットを考慮の上で決定いただければ幸いです。
ありがとうございました。
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