日商簿記1級経理マンのテツオです。
私は楽天VTIとeMAXISスリムS&P500を毎月同額積み立てています。
積立開始が2019年8月とまだまだ期間は短いのですが、この3ヶ月間は常にeMAXISスリムS&P500の方がリターンは上でした(若干ですが)。
コスト差を上回るリターン差のため、基本的には連動する指数の差がリターンの差に繋がっていると思われるのですが、ここで1つの疑問が起こりました。
過去遡ってみて、VTI(CRSP USトータル・マーケット・インデックス)がS&P500を上回る期間はあったのか?
もし、常にS&P500のリターンが上回っているようであれば、S&P500に100%投資でも良いのではないか?
疑問に思ったら即行動、過去の両指数のリターン差を調査してみました。
調査方法
今回はそれぞれの指数に連動するETFである、VTIとVOOのチャートを用いて比較します。
※個人投資家がインデックスに連動した投資を行うにはETFまたは投資信託を用いる必要があるため
VTIとVOOの基本情報は以下の通り。(2019.11.10現在)
VTI | VOO | |
設定日 | 2001/5/31 | 2010/9/9 |
特徴 | 米国株式市場のほぼ全銘柄への分散投資 | 米国を代表する大型株500銘柄への分散投資 |
構成銘柄数 | 約3,000 | 約500 |
連動指数 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス | S&P500 |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
利回り(5年) | 10.54% | 10.97% |
直近配当利回り (税込み) |
1.78% | 1.83% |
株価 | 156.56ドル | 282.74ドル |
VTIの方が歴史が古く、2001年から約20年間運用されています。(VOOは2010年から)
直近5年のリターンはVOOの方が若干上回っていますね。
経費率は同じ0.03%です。
では、それぞれのチャートを、VOOの設定日(2010年)から比較した結果は以下の通り。
調査結果
使用サイト:yahoo!finance(米国版)
濃い青がVOO、薄い青がVTIです。
両方とも綺麗な右肩上がりのグラフを描いていることが分かります。米国市場の力強さを物語っていますね。
VOOなんて最低取得価格が今では280ドルですが、昔は110ドルとかで買えたんですね…(遠い目)。
史上最高値を更新、なんて言ってますが、10年後・20年後振り返った時に、昔はVOOは280ドルで買えたんだよ、となる時が来るのでしょうか(私は米国100%のポートフォリオなので、来ないと困るのですが 笑)。
さて、チャートを比較してみると、ほぼ同じ推移を辿ってはいますが、大きく以下の傾向に別れることが分かりました。
- 2010年代前半はVTIの方が若干ながら上回っている
- 2010年代後半は、若干ではあるものの、ほぼ全ての期間でVOOが上回っている
特に2019年に入ってからが顕著ですね。
この差が私が投資している楽天VTIとeMAXISスリムS&P500のリターン差にも繋がっているのでしょう。
2010年代後半は、GAFA(Google、Apple、FaceBook、Amazon)を始めとする大型株が特に人気だったため、小型株を多く組み入れたVTIよりもVOOの方がリターンが大きかったものと思われます。
GAFA恐るべし、ですね。
結論
では、VTI(CRSP USトータル・マーケット・インデックス)よりもVOO(S&P500)の方が優秀であり、前者に投資するより後者に投資する方が今後の期待リターンも高いのでしょうか?
私は「No」だと思います。
VOOがVTIを上回っているのは最近5年の話であり、2010年代前半はむしろVTIの方が(若干ですが)上回っていました。
将来はGAFAの伸びが鈍化し、S&P500には組み込まれていない小型株が大きく伸びる可能性もあります。
また、比較して分かりましたが、両者の値動きはほぼ同じであり、基本的に優劣はないと思います。
なので、どちらかに絞る場合は投資家の好みになると思います。
全米に分散投資したい場合はVTI(CRSP USトータル・マーケット・インデックス)、米国トップ500に投資したい場合はS&P500ですね。
私はどちらにするか決定打に欠けるため、今後も両者、楽天VTIとeMAXISスリムS&P500の同額積立を続けていこうと思います。
また、過去記事の再掲ですが、この2つの投資信託にも明確な優劣がなく、私はどちらかを選択することが出来ませんでした。
楽天VTI・スリムS&P500比較
楽天VTI
- メリット
VTIという巨人の肩に乗っかる投資手法で、ファンドマネジャーの腕に左右されない投資手法である - デメリット
eMAXIS Slimシリーズよりはコストが掛かる(第2期決算で改善)
間接投資のため、ベンチマークよりパフォーマンスが落ちる場合がある(第1期決算は▲1.1%)
eMAXIS Slim S&P500
- メリット
超ローコストでS&P500に投資可能 - デメリット
現物運用であり、ファンドマネジャーの腕に左右される
超ローコスト故に採算割れによる繰上償還のリスクが超低確率ながら存在する
この両者のいい所取りをしたのがSBIバンガードS&P500インデックスファンドですが、実質コストが開示されていないのと、楽天証券では積立が出来ないという間の悪さ…。
なので私は引き続き楽天証券でこの2つの投資信託の同額積立を続けていこうと思います。
終わりに
本日はVTIとVOOの比較を行いました。結果をまとめると以下の通り。
- 両者の値動きはほぼ同じであり、優劣は特にない
- 2010年代前半はVTI、後半はVOOのリターンが上回っている(若干)
- どちらかに絞る場合は投資家の好み次第
投資信託やETFの選択で迷っている方の参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
※投資は自己責任にてお願い致します。
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